前鳥神社囃子太鼓保存会(平塚市)

Sakitori-bayashi

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  • 加盟団体

  • 囃子

    太鼓

    里神楽

    平塚市

  • 年代

  • 湘南

  • 四季

    5月5日

前鳥(さきとり)囃子と里神楽

平塚市指定重要文化財

  • 前鳥神社と囃子

     前鳥神社は平成30(2018)年、鎮座1650年式年祭が斎行された由緒ある神社で、延長5(927)年の『延喜式神名帳』にも記載がある古社です。神社の地域は平塚市四之宮といいますが、これは毎年5月5日に大磯町で行われる旧相模国の大きな伝統的催事である国府祭に参加する相模五社のうちの、前鳥神社が四ノ宮に当たることにちなむものです。  前鳥神社の祭り囃子は江戸時代中期から伝承されてきました。  前鳥神社の九月例祭、5月の国府祭、7月の八坂神社例祭と子供まつりで演奏、また地域からの要請に応じて「ひらつか民俗芸能まつり」や「四之宮地区ふれあい夏まつり」「四之宮地区レクレーション大会」での演奏のほか、平成21(2009)年の「国民文化祭静岡大会」にも出演しました。  前鳥囃子太鼓保存会は昭和49(2974)年7月に創立され、平成2(1990)年に前鳥神社囃子太鼓保存会に改称しました。保存会としては47年の歴史となりますが、この間、昭和61(1986)年に前鳥囃子が平塚市重要無形文化財に指定されるなど、保存会の活動は成果を上げてきました。現在、保存会では月に三日間の定期稽古、公園前の稽古期間を合わせて、年間約50日の活動を行っています。

  • 前鳥囃子

     前鳥囃子は笛1、鉦1、大胴1、小太鼓4で演奏されます。  曲目は「屋台」「宮昇殿」「昇殿」「神田丸」「唐楽」「鎌倉」「仕丁舞(しちょうめ)」「印場」「きざみ」の九曲から成ります。  前鳥囃子の特色は、江戸系の里神楽が残されている点にあります。他の地域ではあまり見られない四之宮独特のものであり、他の太鼓保存会や観客の方々にたいへん興味深くご覧いただいています。

  • 里神楽の特徴

     前鳥神社の里神楽は、すり足の多用や踵(かかと)を常に紙一枚分上げておくなど、実際に待ってみるとたいへん難しく体力が必要です。また手足の動きは左右の手と足を同時に動かす「なんば」と呼ばれる歩き方です。この「なんば」の動きは農耕作業の中から生まれたものだと伝えられています。

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演目紹介

  • 「屋台」

    地域巡行の曲で神輿巡行の送迎の曲です。

  • 「宮昇殿」

    この曲も巡行の曲ではありますが、神輿がいよいよ神社に近づいたことを知らせる曲で、神輿巡行の労をねぎらい、慰める曲でもあります。

  • 「昇殿」

    神輿の宮入を告げる曲で、同時に、無事に宮入りが出来るように促す曲です。

  • 「神田丸」

    神輿の宮入の時、留守居の客人(まろうど)神や土地神が迎える曲です。

  • 「唐楽」

    神前に供物(くもつ)を捧げる献饌(けんせん)の曲で、神霊の鎮魂の曲です。

  • 「鎌倉」

    神霊に対する余興の曲で、菟道稚郎子命(うじのわきいれつこのみこと)の安寧を祈る曲で、「恵比寿の舞」が奉納されます。

  • 「恵比寿の舞」

    この舞で前に出す手はお金を集める仕草(しぐさ)であり、「握ったら離さない」ことを表し、正面に向かい拳を胸に引きつけるのは全部いただいたことを表現、扇子は海の波を表し、酒を飲み最後に体を抱えながら酔ってしまう踊りです。神職の舞ですが現在は氏子が演じています。

  • 「仕丁舞」

    神輿の担ぎ手である仕丁たちの曲で、無事に神霊が宮居に奉祀された後の開放感溢れる曲で、天狗と狐が踊ります。狐は天狗が持っている神通力の源、天狗の葉を奪おうとしますが、何度も追い払われます。やがて天狗の葉を奪って喜びおかめに化けます。

  • 「印場」

    「ばかばやし」とも呼ばれ、祭が終わりに近づき、氏子を鼓舞するために演奏され、ひょっとことおかめが「ばかおどり」を演じます。酔っ払ったひょっとこを見つけたおかめは天狗の葉の力でひょっとこからお土産を奪いますが、うっかり尾を出してしまい、ひょっとこに狐だと見破られてしまいます。最後に「屋台」の曲で踊り手が勢揃いして終演となります。

  • 「きざみ」

    一座の打ち止めの曲で「屋台」からつなげて演奏されます。叩き手の腕の見せどころで、他の曲のように大胴ではなく笛がリードし、曲を仕切ります。

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