会長ごあいさつ
ホームページリニューアルに際して
神奈川県民俗芸能保存協会 会長
相模流里神楽垣澤社中 三代目家元 垣澤 勉
神奈川県民俗芸能保存協会は、民俗芸能の保護育成を図り、郷土の民俗芸能等の継承及び発展に寄与することを目的に、昭和44(1969)年7月に設立され、令和7年(2025)7月で56年目を迎えようとしています。本協会の発足当時は、県教育委員会と本協会との二人三脚の形で、種々の普及啓発活動等を通して、県内の民俗芸能の発展に貢献してまいりました。
しかし、近年、民俗芸能を取り巻く環境は大きく変化しつつあります。慢性的な後継者不足は元より、社会的要因としては少子高齢化社会、地域コミュニティの弱体化、更に、コロナ禍など厳しい状況下に置かれています。その様な状況下、本協会では平成21(2009)年12月13日に「協会創立40周年記念 かながわの民俗芸能大会」、翌平成22(2010)年1月24日に「第1回かながわのお神楽大会」という大きな公演を開催しました。協会会員を始め、神奈川県並びに多数のボランティアの方々のご協力を得て滞りなく開催することが出来ました。
これらの実績を踏まえ、本協会は、協会自らが企画・運営する新たな組織として事務局を県教育委員会(文化遺産課)から分離し、一民間のボランティア団体として新たな第一歩を踏み出しました。そして、平成22(2010)年12 月12日、公演名称も新たに「きらめくふるさと2010かながわ民俗芸能祭」を神奈川県と公益財団法人はまぎん産業文化振興財団との共催事業として、はまぎんホールヴィアマーレに於いて新たな民俗芸能公演を開催致しました。これまでコロナ禍や会場の改修工事の関係で中断もありましたが、今年で14回目(令和7〔2025〕年12月7日開催予定)を迎えます。
本協会は、令和元年(2019)の創立50周年を節目として再スタートを切りましたが、まだまだ「道半ば」です。本協会では、現在、県内の民俗芸能情報を3ヶ月に1度収集し印刷と発行を本協会会員が行い、紙面で加盟団体会員、個人会員、行政関係他に郵送しています。集めた情報はホームページでも発信していますが、閲覧者が少ない為まだまだ紙面での配布が必要となっています。また、年に1度開催する「きらめくふるさとかながわ民俗芸能祭」も重要な情報発信の大切な場ですが、協会の運営も時代に合わせた対応を迫られています。
情報通信技術による情報発信は、重要なツールの一つであることから、これまで開設していた協会ホームページをリニューアルすることとしました。今後、ホームページで広く情報を発信することにより、民俗芸能関係者の平面的な繋がりも出来、互いに刺激や連帯感も生まれ、次世代を担う若い後継者へのアピールなど民俗芸能の継承と発展に繋がることを願っています。また、神奈川県教育委員会(文化遺産課)ともホームページの連携を図ることができましたが、従前どおり皆様方からの情報も共有したいと思っています。ホームページで広く発信しますので是非ご活用願いたいと思います。まだまだ至らぬ点があるかと思いますので、皆様方からの率直なご意見をお寄せ頂けたら幸いです。
最後に、先人達の遺した、日本人の心を形づくるこの文化遺産を継承出来ることに、大きな喜びや誇りを持ち、本協会も各保存会の発展を図るべく努力、精進して参ります。皆様方の尚一層のお力添えをお願い申し上げ、ご挨拶と致します。
(令和7年6月)
協会概要
名称 神奈川県民俗芸能保存協会
設立 昭和44(1969)年7月
会長 垣澤 勉(相模流里神楽垣澤社中三代目家元)
理事 9名
監事 2名
会員 団体会員 76団体
賛助会員 3名
個人会員 92名
学生会員 1名
(令和7年3月31日現在)
会則
協会のあゆみ
昭和44(1969) 年7月 | 神奈川県民俗芸能保存協会設立。 初代会長 李家孝氏。 名誉会長 津田文吾神奈川県知事。 |
昭和53(1978)年 | 第2代会長に永田衡吉氏就任。 |
平成元(1989)年 | 機関紙「かながわの民俗芸能」第50号を刊行。(創立20周年記念号) |
平成2(1990)年 | 第3代会長に後藤淑氏就任。 |
平成11(2000)年 | 「かながわ民俗芸能フェスティバル」開催。(創立30周年記念事業) |
平成12〜14 (2000〜2002)年 | 国・県指定無形民俗文化財等の記録作成。(映像記録9件、音声記録1件/文化庁補助事業) |
平成17(2005)年 | 第47回関東ブロック民俗芸能大会(神奈川大会)に協力。 |
平成21(2009)年 | 「かながわ民俗芸能大会」を開催。(創立40周年記念事業) |
平成22(2010)年 | 「かながわのお神楽」を開催。(創立40周年記念事業) 第4代会長石井一躬氏就任。 協会運営が神奈川県教育委員会文化遺産課から切り離され、事務局が自主運営化。 「きらめくふるさと 2010かながわ民俗芸能祭」開催。(以降毎年開催) |
協会の事業
① 機関誌「かながわの民俗芸能」の刊行
昭和44年(1969)の設立以来、継続して発行され会員や行政機関に配布してきました。現在では年に1回6月期の刊行で、令和7年(2024)6月には第89号を発行します。
② 民俗芸能情報の提供
市町村教育委員会及び団体会員から提供された民俗芸能の情報をとりまとめ、3カ月ごとに会員の方々に紙面で提供するとともに、ホームページ等で発信しています。情報のご提供は、お問合せフォーム又は office@kanagawa-mzg.jp までメールでの御連絡をお願いいたします。
団体会員以外からの情報につきましては掲載できない場合もありますのでご了承ください。
③ 民俗芸能公演「きらめくふるさと かながわ民俗芸能祭」の開催
協会創立40周年記念事業として開催した「かながわ民俗芸能大会」を発展させて平成22年から「きらめくふるさと かながわ民俗芸能祭」を毎年開催しています。会員の観覧申し込みを優先的に受け付けます。
④ 会員団体支援
会員団体が主催する公演を、共催・後援として広報活動や観客動員など、積極的に支援しています。
⑤ 記録作成
平成12年(2000)度から3ヶ年計画で文化庁の補助を受け、協会の事業として実施した映像と音声による記録作成は大きな成果をあげました。